夜にせん妄になったとき、いちばん最初にすること
夜中になると、“家に帰る”と言い出すせん妄
廣橋猛
2025.10.17
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突然、「家に帰る」と言い出すお母さん
深夜を少し過ぎたころ、寝室の床がきしむ音で娘さんは目を覚ましました。
73歳の母は、進行肺がんの治療を終えて一緒に住む自宅で過ごしていました。
ここ数日、発熱が続き、主治医からは「肺炎の可能性がある」と抗生物質が処方されたばかり。灯りをつけると、母はベッドの脇でパジャマの上着をぎゅっと握りしめ、「家に帰る…家に帰らないと」と小さくつぶやいていました。
「なに言ってるの、お母さん。ここはお母さんの家でしょ」
思わず強い声が出てしまいます。
すると母は顔をこわばらせ、「違う、違う!家に帰る!」と興奮してしまいました。
娘さんの胸はざわつき、救急車の番号が頭をよぎります。けれど、医師が話していた言葉をふと思い出しました。
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- 緩和ケアの視点から夜を乗り切るアドバイス
- せん妄を防ぐための「備え」
- 困ったときの連絡と救急受診の目安
- 大切な人のせん妄を看病するあなたにメッセージ
- 「夜間に〜」三部作いかがでしたか?
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