安いから選んだホスピスが、選べなくなる日
診療報酬改定でホスピスにメスが入った、その先に起こること
廣橋猛
2026.05.27
読者限定
皆さん、こんにちは。緩和ケア医の廣橋猛です。
以前、緩和ケア病棟で担当していた80歳の患者さんのことを思い出します。
大腸がんで、足腰がすっかり弱ってしまい、もう自分では歩けない方でした。もともと一人暮らし。自宅に帰るのは難しそうでした。
かといって、病院にずっといられるわけでもありません。
そんなとき、ご本人と相談して見つけた選択肢が、いわゆる「ホスピス型住宅」でした。病院に入院し続けるより、費用が安く済む。それが決め手の一つでした。
退院後は、私が往診で診させていただくことになりました。だから、痛みの治療は最期までしっかり続けることができました。本人にとっても、穏やかな時間だったと思います。
「安いから、ここを選べた」
この患者さんに限らず、そういう方は少なくありませんでした。
でも今、その「安いから選べる」という前提が、根っこから崩れようとしています。
今回の診療報酬改定で、何が変わったのか。少しだけ、お付き合いください。