仏壇に話しかける私は、おかしいですか

亡くなった人と、これからも生きていくあなたへ
廣橋猛 2026.08.11
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「毎日、仏壇に話しかけているんです」

お母様を亡くされた娘さんが、そう打ち明けてくださいました。

朝、手を合わせて、その日の予定を報告する。仕事で嫌なことがあれば、帰って愚痴をこぼす。街を歩いていても、ふと心の中で「お母さん」と呟いてしまう。

そして、こう続けられました。

「……私、おかしいでしょうか。いつまでも、こんなことをしていて、いいのでしょうか」

もうすぐ、お盆です。同じような迷いを抱えながら、お墓や仏壇に手を合わせる方が、たくさんいらっしゃると思います。

私は緩和ケア医です。病院の緩和ケア病棟と、患者さんのご自宅と、その両方で診療を続けてきました。自ら「二刀流」と呼んでいます。

今日は、その迷いに、緩和ケア医としてお答えしたいのです。

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「早く忘れないと」と、自分を責めていませんか

大切な人を亡くした方の多くが、ある時期から、自分を責め始めます。

「いつまでも悲しんでいたら、ダメだ」「早く忘れて、前を向かないと」「亡くなった人も、それを望んでいるはずだ」と。

実は、かつては悲しみの専門家たちも、そう考えていました。二十世紀の悲嘆の理論では、故人への想いを断ち切り、新しい関係に踏み出すことが「悲しみの仕事」だとされていました。故人にしがみつき続けることは、病的な悲嘆とさえ見なされていたのです。

でも、この考え方は、大きく見直されました。

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続きは、1519文字あります。
  • 挨拶に来られるご遺族が、教えてくれたこと
  • お盆は、会いに行っていい日

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