通える患者さんに、在宅医療は必要ですか
皆さん、こんにちは。
いつもニュースレターを読んでくださってありがとうございます。
大型連休が間近に控えていますね。台風も近づいているようで心配です。
皆さんは大型連休に入るとき、なにか目標というか、やりたいことなど考えますか?私もこれをやろうとか、目標を作るのですが、たいていうまくいきません。でも、この連休中は絶対に部屋の掃除を終えたいと思っています。また報告しますね。
というわけで、特にどうでもいい前書きでしたけれど。
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とても良い受診でした。ひとつを除いて
先日、緩和ケア外来に初診でいらした患者さんのお話です。
70代の女性。診察室に入ってこられた姿は、しっかりしたものでした。家事はすべてご自分でこなしている。友達とデパートに出かけて、外食もする。そういう毎日を過ごしておられます。
ただ、状況は決して簡単ではありません。大腸がんの治療中で、抗がん剤の治療を続けておられます。治療の選択肢はもう残り少なく、いま使っているのは、いわゆる「最後の抗がん剤」。これが効かなくなったら、治療は終わり、緩和ケアが中心になる——そういう差し迫った段階でした。
治療を受けている病院から、「先を見越して、緩和ケアの相談をしてきなさい」と言われて、私の外来にいらしたのでした。
ここまでは、とても良い受診です。
緩和ケアは、治療が終わってから慌てて始めるものではありません。治療中から、先を見越して相談しておく。痛みや不安を早めに和らげることで、治療そのものを続ける力にもなる。それは、私たちがずっと世の中に伝えてきたことです。「緩和ケア=終末期」という誤解が根強い中で、治療元の病院がこの早めの段階で相談を勧めてくださったのは、本当にありがたいことでした。
ご本人の理解も、深い方でした。将来、看病してくれる人がいないであろうこと。だから最期は入院になるだろうと思っていること。治療が限界に近づいていること。それらをすべて分かったうえで、「だから早めに相談に来ました」と、落ち着いて話されました。
現実から目をそらしていない。かといって、悲観的になっているわけでもない。いまできる暮らしを、きちんと楽しんでおられる。緩和ケア医として、こういう方にお会いすると、正直、頭が下がります。
ただ、ひとつだけ、引っかかったことがありました。
治療元の病院から、緩和ケアの相談と並行して、「在宅医療の準備も進めておくように」と勧められていたのです。
訪問診療。医師が定期的に自宅を訪ねて診察する、あの在宅医療です。本来は、病院まで通うことが難しくなった方のための仕組みです。
友達とデパートに行ける方に、です。
その話題になったとき、ご本人はこう言われました。
「普通に通えると思うのですが……」
私も、まったく同じことを思いました。
この違和感の正体を、ここから先で書きます。病院側の事情の推測も、医療費の話も、そして、私の中でまだ答えが出ていないモヤモヤしたことも含めて。
病院の意図と、医療費の話
治療元の病院が、なぜ在宅医療を勧めたのか。これは直接聞いたわけではないので、あくまで私の推測になります。