通える患者さんに、在宅医療は必要ですか

患者さん「普通に通えると思うのですが……」
廣橋猛 2026.09.18
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皆さん、こんにちは。

いつもニュースレターを読んでくださってありがとうございます。

大型連休が間近に控えていますね。台風も近づいているようで心配です。

皆さんは大型連休に入るとき、なにか目標というか、やりたいことなど考えますか?私もこれをやろうとか、目標を作るのですが、たいていうまくいきません。でも、この連休中は絶対に部屋の掃除を終えたいと思っています。また報告しますね。

というわけで、特にどうでもいい前書きでしたけれど。

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とても良い受診でした。ひとつを除いて

先日、緩和ケア外来に初診でいらした患者さんのお話です。

70代の女性。診察室に入ってこられた姿は、しっかりしたものでした。家事はすべてご自分でこなしている。友達とデパートに出かけて、外食もする。そういう毎日を過ごしておられます。

ただ、状況は決して簡単ではありません。大腸がんの治療中で、抗がん剤の治療を続けておられます。治療の選択肢はもう残り少なく、いま使っているのは、いわゆる「最後の抗がん剤」。これが効かなくなったら、治療は終わり、緩和ケアが中心になる——そういう差し迫った段階でした。

治療を受けている病院から、「先を見越して、緩和ケアの相談をしてきなさい」と言われて、私の外来にいらしたのでした。

ここまでは、とても良い受診です。

緩和ケアは、治療が終わってから慌てて始めるものではありません。治療中から、先を見越して相談しておく。痛みや不安を早めに和らげることで、治療そのものを続ける力にもなる。それは、私たちがずっと世の中に伝えてきたことです。「緩和ケア=終末期」という誤解が根強い中で、治療元の病院がこの早めの段階で相談を勧めてくださったのは、本当にありがたいことでした。

ご本人の理解も、深い方でした。将来、看病してくれる人がいないであろうこと。だから最期は入院になるだろうと思っていること。治療が限界に近づいていること。それらをすべて分かったうえで、「だから早めに相談に来ました」と、落ち着いて話されました。

現実から目をそらしていない。かといって、悲観的になっているわけでもない。いまできる暮らしを、きちんと楽しんでおられる。緩和ケア医として、こういう方にお会いすると、正直、頭が下がります。

ただ、ひとつだけ、引っかかったことがありました。

治療元の病院から、緩和ケアの相談と並行して、「在宅医療の準備も進めておくように」と勧められていたのです。

訪問診療。医師が定期的に自宅を訪ねて診察する、あの在宅医療です。本来は、病院まで通うことが難しくなった方のための仕組みです。

友達とデパートに行ける方に、です。

その話題になったとき、ご本人はこう言われました。

「普通に通えると思うのですが……」

私も、まったく同じことを思いました。

この違和感の正体を、ここから先で書きます。病院側の事情の推測も、医療費の話も、そして、私の中でまだ答えが出ていないモヤモヤしたことも含めて。

病院の意図と、医療費の話

治療元の病院が、なぜ在宅医療を勧めたのか。これは直接聞いたわけではないので、あくまで私の推測になります。

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