膵臓がんの歴史的進歩は、緩和ケアにも追い風

治療が長くなるほど、緩和ケアは深くなれる
廣橋猛 2026.06.02
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皆さん、こんにちは。

膵臓がんという病気を、ご存じでしょうか。

がんの中でも、もっとも予後が厳しいといわれてきた病気です。診断された時には、すでに転移していることも多い。診断された瞬間から、緩和ケアがすぐ必要になる。そんなことが、ずっと続いてきました。

実際、診断から3か月以内に紹介されてきた患者さんが、そこからさらに1か月以内にお別れになってしまう。そんなことが、決して珍しくないのです。

ご家族とも関係を深める間もないまま、最期を迎えてしまう。そういう厳しさを、何度も見てきました。

そこに、おそらく「歴史的」と呼ぶしかない知らせが届きました。

米国臨床腫瘍学会(ASCO)2026で発表された、RASolute 302という第3相試験。経口の新薬ダラクソンラシブ(RMC-6236)が、すでに化学療法を受けたあとの転移性膵がんに対して、これまでにない結果を出しました。

RAS変異という遺伝子変異のある患者さんで、生存期間の中央値が13.2か月。化学療法だけのグループは6.6か月。ほぼ倍です。死亡リスクは40%まで下がり、副作用も少なかった。

「歴史的ブレークスルー」と研究者が喝采を送ったのも、誇張ではないと感じます。

長く、暗いトンネルだったのです。この病気をめぐっては。

ではここで、ひとつの問いが浮かびます。

膵臓がんでも、もう緩和ケアはすぐには要らなくなるのでしょうか。

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