同じグループで、患者さんを囲まないでほしい
皆さん、こんにちは。
シルバーウィーク、お住まいの地域によっては台風の影響が大きかったと思います。
私の生活圏である東京〜千葉では、長く雨が降り続きました。大きな被害が出た地域もあり、心からお見舞い申し上げます。
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「うちのグループで」という提案
今日は緩和ケア外来に通っておられる、あるがん患者さんのお話です。
すでに介護保険を使っておられて、ベッドや手すりなど、いくつかの介護用品をレンタルされていました。ケアマネジャーもついています。ここまでは、よく整った体制です。
ただ、少しずつ、状況が変わってきました。
生活の上での心配ごとが増えてきた。症状も、以前より悪化してきている。外来で月に一度お会いするだけでは、体調の変化を追いきれない。定期的に、誰かが家で様子を見る必要がある。私はそう判断して、訪問看護の利用を提案しました。
訪問看護を始めるには、医師が「訪問看護指示書」を出します。一方、「どこのステーションを使うか」は、ケアマネジャーなどと相談して決めます。
ここで一つ、知っておいていただきたいことがあります。訪問看護ステーションは、どこでも同じではありません。
たとえば進行がんの患者さんに起こりうるさまざまな症状と、医療用麻薬など薬の使い方に慣れているところがあります。状態が変化しても、想定しているので動揺しない。一方で、認知症やご高齢の方のケアに慣れていて、リハビリに力を入れているところもある。小児に強いところ、看取りの経験が豊富なところ。それぞれに得意分野があるのです。どちらが優れている、という話ではありません。
この患者さんには、これから、いろいろな症状が出てくる可能性がありました。すでに医療用麻薬も使い始めていました。私が思い描いていたのは、緩和ケアに慣れたステーションでした。
ところが、ケアマネジャーから提案されたのは、別のところでした。
ケアマネージャーが属するグループの、訪問看護ステーションです。そこは、どちらかというとリハビリが中心のところでした。
意見の食い違いです。でも、こういった食い違い、実は訪問看護に限った話ではありません。
訪問診療の医師を誰にするか。訪問介護をどこに頼むか。福祉用具をどこから借りるか。デイサービスはどこにするか。在宅の医療と介護では、こうした「どこを使うか」の選択が、次々に発生します。そして、その一つひとつに、提案する側の事情が入り込む余地があります。患者さんやご家族は、提案されたものを「そういうものか」と受け入れることがほとんどでしょう。比べる材料も、断る理由も、持っていないのですから。そのたびに、同じことが起きうるのです。
その裏にある、表ではあまり語られない力学を、ここから先で率直に書きます。