なぜ病院食は食べられないのに、マクドナルドは食べられたのか
〜患者の食欲を支える本当に大切なこと〜
皆さん、こんにちは。緩和ケア医の廣橋猛です。
私は普段、進行がんなど重い病を抱えた患者さんやそのご家族と関わっています。病院での診療だけでなく、ご自宅に伺って診察する在宅医療にも携わり、患者さんの「自分らしく過ごしたい」という願いに寄り添ってきました。
この連載では、看病の工夫や看取りの心得、そして大切な人を失った後の心のケアまで、実際の患者さんやご家族の体験をもとにお伝えしています。今回は「食べられない」という悩みについて、ある患者さんとの出会いからお話ししたいと思います。
「病院のご飯じゃ食べられない。マックが食べたいんだ」
代田さん(50代・男性)は、肺がんが進行し、息苦しさや骨に転移したがんによる痛みのために入院していました。残念ながら、抗がん剤などの積極的な治療はもう難しい状態。痛みを和らげる点滴などで症状は落ち着いてきましたが、体はだいぶ痩せ細り、部屋の中を歩くのがやっとという状況でした。
ある日、ちょうど昼食の時間に病室を訪れると、代田さんは食事にほとんど手をつけていませんでした。私の顔を見るなり、こう言います。
「先生、こんな病院のご飯じゃ食べられないよ。俺はマックが食べたいんだ」

病院の食事は、管理栄養士さんが栄養バランスを考え、限られた予算の中で精一杯工夫して作ってくれています。でも正直なところ、味付けが薄く感じたり、見た目で食欲をそそるかというと、限界があるのも事実です。
私は「じゃあ、今度奥さんに買ってきてもらいますか?」と提案してみました。
すると代田さんは首を横に振ります。
「病院に持ってきても冷めてるだろ? それにこんな病室で食べても味気ないよ」
代田さんが本当に求めていたのは、マクドナルドのハンバーガーそのものだけではなかったのです。
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